じわじわくる『霧深きエルベのほとり』感想②キャスト別

ふとしたときに『霧深きエルベのほとり』について考えながら、物思いにふけってしまいます。
はやくもう一度観たくなる。。これだからウエクミ作品は・・・。
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紅ゆずる カール
この公演が始まる前に、公式HPに上田久美子先生がインタビューを載せていたのですが、この時点でどんな役なのか想像していました。
紅ゆずるが演じるカール・シュナイダー役について。
カールはわざと不真面目にふるまったり物事を冗談めかしたりして、何が本心なのかわからないような面がありますが、実はとても真面目で誠実な男性です。そういうところが紅と非常に合致していると思います。彼女もユーモアを前面に出している部分がありますが、実は周りの人の気持ちがよくわかる繊細な人です。もし私が彼女を主演にした新作を作るとしても、このカールのような役を書いていただろうと思います。しかしながら、カールのような本物の男らしさを持つ役を生き生きと魅力的に描くには、今の私の力ではまだまだ及びませんので、今回は菊田先生のお力をお借りしたいと思っています。
観てみると納得、ここに書いてある通りなのですが、紅さんとカールがリンクするところが多くグッときます。
紅さんは紅子役などで一見おちゃらけているように見える反面、スカステ等で見るトークでも、人に対する気遣いが感じられます。話していて本当に賢い人なんだろうなぁと。
マルギットに対しても不誠実に振る舞うようで、実は優しい嘘をつく。
マルギットにはフロリアンの方があっていると心で思っていて、別れるのにもっともらしい振る舞いをして家を出る。
マルギットとの関係、身分の差をマルギットよりも実感しているからこその行動、シュラック家を出たあとのセリフがとても切ない。。
こういう感情表現がすごく伝わって引き込まれました・・・。
いやぁ、マルギットの身近ににあんな魅力的なフロリアンがいたら、劣等感を感じてしまいますよね。。フロリアンはマルギットと結婚するのにふさわしい家柄もある、そして性格的にも魅力的、自分にはないマルギットへの扱い方もわかっている。。。
本人に重なるところもあるからより強調されるところもあるけど、お芝居よかったなぁ。
綺咲愛里 マルギット
世間知らずで、ふわふわしたお嬢様。出会ったのがカールでよかったよ、ほんと、、、
あーちゃんマルギットはただただ可愛くて仕方なかった。感情移入をせざるを得ない、あの可愛さは才能ですね・・・w
恋愛すると一直線、純粋で盲目的なのかと思いきや、その裏で人間が持ち合わせている嫌な感情があるところが役としての魅力でもありました。
一見気づかないようなことですが、フロリアンのセリフに表れる、彼女の人間として嫌な面にハッとさせられます。
お父さんへの当てつけの感情だとか、カールの振る舞いを実は恥ずかしいと思っている感情だとか・・・。
あとどうでもいい話ですが、劇中にあまりにも名前を呼ばれ、だんだん「マルグリット」に聞こえるような気がして、スカピンを思い出していましたw
礼真琴 フロリアン
実はまだ、フロリアンという人物について噛み砕けていないところがあります。
私がひねくれているかな?こんなにも聖人って存在するのかなって・・・。
なんのひっかかりもなく直接受け入れれば、フロリアンは魅力的な人に間違いはない。もちろんフロリアン自身の葛藤も見える。でも聞き分けがよすぎて闇が深そうというか。。
自分の心を落ち着けるために、カールとマルギットのことを唯一応援している気持ちはフロリアンも切ない。。
特に、最後にカールを探しにくるシーンで、やはり本当にマルギットを大切にしていることが伝わりました。
好きなのに、本当の気持ちを押し殺して、あんなに優しく接することができるってどう育ってきたんだ?上流階級育ちの彼の背景を考えながら、セリフに含まれた深みを読み解きながら、東京でもう一度観劇したいと思います。
長くなってしまったので、その他のキャストについては別記事で書こうかなと思います!
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